●ルテインとは?

ルテインとは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。

ルテインとゼアキサンチンはよく似た性質を持つ成分(異性体:同じ分子式をもちながら、分子内の原子配列が異なる化合物)です。ルテインが代謝されるとゼアキサンチンになりますが、ゼアキサンチンからルテインには代謝されず、「ルテインのあるところにはわずか数パーセントのゼアキサンチンが存在する」ということがわかっています。したがって、当情報局では、特にルテイン・ゼアキサンチンを併記する必要がないと判断した場合、単に「ルテイン」とのみ記しています。

人に対して害を与える光線としては、紫外線が有名ですが、特に人工の光(照明、テレビ、コンピューターモニターなど)の中に多く含まれる青い光もエネルギーは高く、細胞に与えるダメージも強力です。ルテインは、この青い光を吸収し遮る役割があります。また、光の一部が細胞に達してしまい、細胞が光による酸化ダメージを受ける危険性が生じた場合でも、抗酸化作用によってこれを防止します。すなわち、ルテインは遮光および抗酸化作用による、「光障害に対する二重ブロック」を行っています。

外界からの光を受けとめるレンズの働きをしている水晶体の真後ろ、網膜の中心部に位置する黄斑部は、視覚機能にとってきわめて重要な役割を果たしています。これら部分にはカロテノイドのうち、ルテイン・ゼアキサンチンしか存在していません。ルテイン・ゼアキサンチンが、光による酸化ダメージから水晶体と黄斑部を守っています。そして、ルテイン・ゼアキサンチンが不足すると水晶体においては白内障、黄斑部においては加齢黄斑変性といった眼疾患リスクにつながることが実証されています。白内障や加齢黄斑変性は、加齢にともなって現れる疾患とみなされてきましたが、最近では若い世代の間でも起こりうる疾患となってきています。現代人の生活環境、すなわち、栄養の偏った食生活、光の曝露量の拡大、ストレスなどによって、年齢を問わずに眼疾患リスクが高まってきていると言えるのです。

近年の研究では、水晶体・黄斑部のルテイン量の低下が、白内障・加齢黄斑変性(AMD)といった眼病の一要因になる可能性が指摘されています。

●ルテインはヒトの身体のどこに存在しますか?
ルテインは、眼球の網膜および水晶体に存在し、特に黄斑部色素層の色素成分として蓄積されています。その他には、皮膚にも存在し、乳房や子宮頚部に多く存在することが知られています。特に眼の水晶体と黄斑部にはカロテノイドの中でもルテインとゼアキサンチンしか存在していないため、これらの部位が正常に機能するために重要な役割を果たしていると考えられています。
●ルテインの適当な摂取量は?
正式な推奨摂取量はまだ定められていません。これまでの研究に基づき、栄養学者は一日あたり6ミリグラムの摂取量を望ましいガイドラインとしています。
アメリカ農務省では1日4ミリグラムから7ミリグラムのルテイン摂取を推奨しており、ハーバード大学のセドン等の研究では1日6rでAMDリスクが軽減されたとの報告があります。
●ルテインの1人1日あたりの平均摂取量は?
平均的なアメリカ人は、1日で約1r摂取しています。 日本人の平均摂取量はまだ明らかになっていません。
●何歳からルテインの摂取量を気にかけ始めればよいでしょうか?
最近の研究では、中高生ぐらいから30代の間に陽射しを多く浴びた人は、晩年に加齢性黄斑変性を発症するリスクが高いことがわかっています(文献10)。屋外で紫外線を多く浴びる人、テレビやパソコン、ゲームなどで青い光に目を曝露する機会の多い人はそれだけ体内に蓄積されたルテインを消費しやすいので、ルテインの豊富な食事を摂るよう心がけたほうがいいでしょう。
●1日のうちのどの時間帯にルテインサプリメントを摂取するのがベストですか?
ルテインは、基本的には食品成分(緑黄食野菜に多く含まれる)ですので、摂取の時間帯をそれほど気にかける必要はありません。しかし、サプリメントとしてその効果を期待する場合、体内に吸収され易い状況で、忘れずに毎日服用することが大切ですので、1日1回食後に服用することをお勧めします。
●ルテインをしばらく摂取して、その後摂取を止めてしまってもいいですか?
人間の体はルテインを消費しますが、体内で作り出すことができません。したがって、体内のルテイン量を維持するには、食事から、特に緑黄色野菜の摂取あるいは、サプリメントの服用により、体内にルテインを供給する必要があります。一時的に摂取を止めたとしても、急激な変化はないと考えられますが、近年、特に眼においては、ルテイン量の低下が白内障・黄斑変性を引き起こす可能性が指摘されていますので、何らかの方法で、ルテインを継続的に摂取することは重要だと考えられます。
●ルテインを摂取しすぎると体に悪いですか?
これまでに発表されている学術論文によると、ルテインの眼疾患に対する予防的効果は1日あたり6ミリグラムから12ミリグラムの摂取が提唱されており、その用量で、特筆すべき有害作用は報告されておりません。また、目の疾患に対する治療効果については、1日あたり20ミリグラムから40ミリグラムの用量が報告されておりますが、これらの研究報告で特筆すべき有害作用は報告されておりません。
2003年のアメリカ眼科視覚学会(ARVO)においても、アメリカ国立衛生研究所と国立眼科研究所の共同研究で、AMD患者に1日辺り最大10ミリグラムのルテインを半年間摂取してもらい、その後さらに半年間体調に変化がないか調査しましたが、有害作用は認められないという報告が出ています。
これらの報告からも、1日あたりルテイン6ミリグラムから40ミリグラムの摂取による有害作用はないと考えられます。
しかしながら、多くのルテイン配合健康食品では、1日あたりの摂取量の目安として、6ミリグラムを提唱していることから、治療目的でそれ以上の用量の摂取をお考えの時は、必ず主治医にご相談ください。
●薬とルテインを一緒に飲んでも大丈夫しょうか?
ルテイン自体は薬ではありませんが、処方薬との併用による影響はまだ研究が進んでいない分野の一つです。処方薬を服用している方は、医師と必ず相談してください。
●ルテインは生野菜で摂ったほうがよいでしょうか?それとも調理すべきでしょうか?
調理した野菜のほうが吸収効率がいいでしょう。生野菜においては、ルテインは細胞構造内に閉じ込められます。調理することで細胞壁が解放され、ルテインが細胞外に出るためバイオアベイラビリティが高まります。また、調理油やバターなどの脂分と共に調理すると身体への吸収が高まります。
●どれだけ生ホウレンソウを食べるとルテイン6ミリグラムを摂取できますか?
一日あたり6ミリグラムを摂取するには、生ホウレンソウ58グラム以上を食べなければなりません。これはサラダボール2杯以上のホウレンソウに相当します。実際にルテイン一日あたる6ミリグラム以上を摂っている人はごくわずかです。その他の野菜からのルテイン摂取量については、摂取量テストのページでチェックしてみてください。
●身体はルテインを生成できますか?
いいえ、ヒトの体内でルテインは生成できません。バランスのとれた食事、特に緑黄色野菜の摂取、または栄養補助食品によってのみルテインを体内へ摂取することができます。
●ルテインサプリメントを摂取すべきですか?
まず食品から得るルテイン平均摂取量を調べてください。食事で十分なルテインを摂れていない場合、サプリメント摂取を考慮したほうがよいでしょう。
ルテインと眼の健康
●加齢性黄斑変性症とは?
加齢黄斑変性は、アメリカおよび他の先進国における65歳以上の高齢者の不可逆性失明の主因となっています。網膜にある黄斑(眼球の水晶体の真後ろ、網膜の中央にある小さな部分で中心視を担当)の細胞が破壊されはじめ、ついには視野の中心部分の損失につながりますが、周辺の視野は損なわれません。
加齢黄斑変性(AMD)とルテイン
食事からルテインを多く摂取することで、不可逆的失明の原因となるAMDのリスクが軽減するという、科学的根拠が、数多く示されています(引用文献1,2,3参照)。
したがって、少なくても、AMDの予防効果の期待できるルテイン量、1日あたり6ミリグラムは食事あるいは健康食品から摂取されることをお勧めします。
●加齢黄斑変性のリスクが高いのはどのような人でしょうか?
年齢、食事、日々の太陽光線への露出、喫煙、遺伝、性別、人種、眼の光彩の色、アルコール摂取、心臓病など、発病リスクが高まる要因はいくつか考えられます。例えば、青色や緑色の眼(光彩)、高齢者、女性、喫煙者、白色人種などはリスクが高いと考えられています。
●加齢黄斑変性に罹っている人はどれぐらいいますか?
初期段階も含め、1,600万人の米国民が加齢黄斑変性(AMD)を患っています。この数字は、ロサンゼルス市民のほぼ2倍にあたります。日本ではまだ罹患率や患者数は正確には把握されていません。
●加齢黄斑変性(AMD)から自分を守るにはどうすればよいでしょうか?
年齢、遺伝、性別など自分では変えられない要因はありますが、生活習慣は改善できます。加齢黄斑変性(AMD)予防についていくつかのポイントをご紹介します。
  • 直射または反射日光から身体を守るために、サングラスとつばのある帽子を身に付けましょう。
  • 果物や葉状緑色野菜を多く摂りましょう。
  • 喫煙をやめましょう。
  • アルコール、飽和脂分、コレステロール摂取量を制限しましょう。
  • ルテイン1日6mgを目安に食事で補いましょう。
●白内障にルテインはどんな働きをしますか?
最近の研究では、ルテインの摂取が白内障発症のリスクを下げるのに役立っていることがわかっています(文献4, 5, 6, 7)。
●加齢黄斑変性症、白内障以外の眼の疾患に罹っているのですが、ルテインは効果はありますか?
これまでに、目の疾患に対するルテインの効果については、加齢黄斑変性、白内障、黄斑色素変性について報告されておりますが、その他の眼の疾患に対するルテインの効果についての報告はありません。
また、多くの眼科医が、眼の栄養素としてルテインは重要であると考えていることから、眼の健康を維持することを目的にルテインを摂取することには問題ないと思われますが、現在患っている疾患とルテインの関係については言及できませんので、服用に際しては主治医に御相談のうえ、ご検討下さい。
●医師はルテインが眼によいと考えているのですか?
はい。アメリカの眼科医と眼科検査士とを対象に実施した調査によれば、眼科医の84%が、実際に患者にルテインを勧めており、ほぼすべての眼科医(91%)が、ルテインは目の健康促進に重要な役割を担っていると考えていることがわかっています(文献11)。
ルテインと他の健康
●ルテインは他に身体のどんなところに効果が期待できますか?
最近の研究の結果から、ルテインは皮膚癌、心疾患および乳癌のリスクを減らすことがわかっています。また、ルテインは体の免疫反応も増強させます。
floragloルテインについて
●FloraGLOR ルテインにしかない特徴は何ですか?
日本においてルテインはマリーゴールド色素あるいは抽出物として、食品への利用が認められております。現在市販されているルテイン原料には、ルテインとルテインのエステル体があります。FloraGLORルテインは、生体内に存在するルテインと同じ分子構造のルテインを供給するために、ルテインのエステル体からエステルを取り除き、さらに結晶化した製品です。また、これら2つの工程は、製造元であるケミンフーズ社が特許を所得しております。
●FloraGLOR ルテインの原材料は何ですか?
FloraGLOR ルテインは、マリーゴールドの花弁から抽出し、特許取得済みの方法によって精製結晶化したものです。
●FloraGLOR ルテインとルテインエステルとの違いは何ですか?
FloraGLOR ルテインはマリーゴールド抽出物であるルテインエステルを出発原料として、特許取得済みの工程により、ルテインエステルから、エステルを除去し、さらに特許取得済みの工程で結晶化しています。FloraGLORルテインはこの精製過程の結果、体内に存在するルテインと同じ形をもつルテインとなります。 体内に存在するルテインと同じ形態ですので、そのまま体内に吸収されます。ルテインエステルは、フリー体のルテインに脂肪酸がエステル結合したもので、このままの形では体内に吸収することはできません。ルテインエステルは、体内で消化酵素の力を借り、脂肪酸と分離されたルテインのみが吸収されることになります。
●FloraGLOR ルテインを製造しているのはどこの会社ですか?
アイオワ州デモインに本社のあるケミンフーズL.C. です。ケミンフーズは精製されたフリー体ルテインで世界をリードし、米国内で唯一のルテイン抽出施設を操業しています。
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