ルテインとは?
ルテインは眼の健康を保つ成分として注目されています。
・ルテインとは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。人間の体内器官や皮膚にも存在し、乳房や子宮頚部に多く存在することが知られています。特に眼の水晶体と黄斑部にはカロテノイドの中でもルテインとゼアキサンチンしか存在していないため、これらの部位が正常に機能するために重要な働きを果たしています。 [グラフ:ルテインを多く含む野菜のルテイン含有量]単位は全て100グラムあたりのミリグラムで、多い順に、ほうれん草10,200、ブロッコリー1,900、リーフレタス1,800、豆1,700、芽キャベツ1,300、夏カボチャ1,200。
図:ルテインを多く含む野菜のルテイン含有量
ルテインオ不足は眼病の一要因
ルテインの不足は眼病の一要因。
・近年の研究により、水晶体・黄斑部のルテインの量が少なくなると、白内障・加齢黄斑変性症(AMD)といった眼病の一要因になることも確かめられています。身体のその他の部位の健康を維持する作用を解明するための研究も近年増加の傾向にあります。
※ルテインとゼアキサンチンはよく似た性質を持つ成分(異性体:同じ分子式をもちながら、異なった物理的・化学的性質をもつ化合物。分子内における原子の配列の仕方が異なるために起こる)ですが、抗酸化剤としての製品への利用を考えるとき、ルテイン利用のケースがゼアキサンチン利用を大幅に上回ります。ルテインが代謝されるとゼアキサンチンになりますが、ゼアキサンチンからルテインには代謝されず、「ルテインあるところにはわずか数パーセントのゼアキサンチンが存在する」ということがわかっています。したがって、当情報局では、特にルテインとゼアキサンチンを併記する必要がないと判断した場合、単に「ルテイン」とのみ記しております。
●ルテインは光に強い。
・ルテインは、光そのものを遮る役割があります。また、光の一部が細胞に達してしまい、細胞が光による酸化ダメージを受ける危険性が生じた場合でも、抗酸化作用によってこれを防止します。すなわち、ルテインは遮光および抗酸化によって、「光防御における二重ブロック」を行っています。しかしながら、ルテインの光防御はこれだけにとどまりません。ルテインは青い光を吸収するという性質を持っています。
[図:光防御のメカニズム]
図:光防御のメカニズム
青い光を吸収する
・人に対して害を与える光線としては、紫外線が有名ですが、青い光は、光線の中で最も高いエネルギーを持つもので、細胞に与えるダメージも強力です。紫外線は太陽から照射されますが、青い光は、人工の光に多く含まれています。人工の光・・・蛍光灯、テレビ、パソコン、ゲーム・・・に囲まれて生活を送っている現代人は、日常的に高エネルギーの青い光にさらされていることになります。特に眼は、外界に対してむきだしの臓器ですから、青い光からのダメージを直接受けることになります。
※水晶体と黄斑部にはルテイン・ゼアキサンチンしか存在しない
[グラフ:特に青い光を吸収する]
図:特に青い光を吸収する
ルテイン不足は眼疾患につながる。
・外界からの光を受けとめるレンズの働きをしている水晶体、その真後ろ、網膜の中心部に位置する黄斑部は、視覚機能にとってきわめて重要な役割を果たしています。これら部分にはカロテノイドのうち、ルテイン・ゼアキサンチンしか存在していません。ルテイン・ゼアキサンチンが、光による酸化ダメージから水晶体と黄斑部を守っているのです。では、もしも水晶体と黄斑部にルテイン・ゼアキサンチンが不足したらどうなるでしょうか?水晶体においては白内障、黄斑部においては加齢黄斑変性症といった眼疾患リスクにつながることが実証されています。 [グラフ:ルテイン不足は眼疾患リスクにつながる(白内障の場合)]
図:ルテイン不足は眼疾患リスクにつながる(白内障)
・白内障や加齢黄斑変性症は、加齢にともなって現れる疾患とみなされてきましたが、最近 では若い世代の間でも起こりうる疾患となってきています。現代人の生活環境、すなわち、栄養の偏った食生活、光の曝露量の拡大、ストレスなどによって、年齢を問わずに眼疾患リスクが高まってきていると言えるのです。 [グラフ:ルテイン不足は眼疾患につながる(加齢黄斑変性症の場合)]
図:ルテイン不足は眼疾患につながる(加齢黄斑変性症)
戻る